強いAIの実現方法 ~実践的な作り方~

強いAIの実践的な作り方を検討しています。メイン記事に主張をまとめています。人工知能関係の書評もあり。なお、今後、任意団体として活動してみたいと考えており、手伝ってみたいという方は是非ご連絡下さい。詳しくは、メイン記事の7を参照下さい。

2018-01-01から1年間の記事一覧

強いAIを作り始めるにあたり

しばらく更新が止まっていたが、その間に、2chにて自論を述べてみる、ということをやってみた。自論とは、本ブログで取り上げている、構成論的アプローチ(身体性)は実空間でなくてソフトウエア空間でやってみるべき、その際、外界と身体を辞書レベルで…

「強いAI・弱いAI」(8) 人工知能関連書

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。今回が最終…

「強いAI・弱いAI」(7) 人工知能関連書

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。今回が、第…

「脳・身体性・ロボット 知能の創発をめざして」 人工知能関連書

インテリジェンス・ダイナミクス1「脳・身体性・ロボット 知能の創発をめざして」土井利忠/藤田雅博/下村秀樹編 2005年 シュプリンガー・フェアラーク東京 かつて1990年代、日本のロボット研究が世界の最先端であった時代があった。ASIMOの前身のP2の…

「強いAI・弱いAI」(6) 人工知能関連書

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。今回が、第…

「強いAI・弱いAI」(5) 人工知能関連書評

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。 第6回:脳…

「強いAI・弱いAI」(4) 人工知能関連書評

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。 第5回:羽…

「人工知能はこうして創られる」(補足) 人工知能関連書評

「人工知能はこうして創られる」(補足) 合原一幸編著 2018年 ウェッジ 合原先生の最後の文章に気になることが書いてあった。 「ゾウリムシの自発性と人の自由意思とは隔絶したものでは無い」(大沢文夫『「生きものらしさ」をもとめて』より)、確かにそん…

「人工知能はこうして創られる」(後編) 人工知能関連書評

「人工知能はこうして創られる」(後編) 合原一幸編著 2018年 ウェッジ 第5章は、アメーバ型コンピュータなどのナチュラルコンピューティングについてであり、慶応大学青野真士教授が担当されている。 アメーバ型コンピュータとは、なんと、粘菌アメーバと…

「人工知能はこうして創られる」(前編) 人工知能関連書評

「人工知能はこうして創られる」(前編) 合原一幸編著 2018年 ウェッジ 前編と後編に分けて記載する。合原一幸教授は、ニューラルコンピュータを専門で研究されており、30年前に「ニューラルコンピュータ」という本を上梓され、「AI研究の行き詰まりを…

「シンギュラリティ 人工知能から超知能へ」 人工知能関連書評

「シンギュラリティ 人工知能から超知能へ」 マレー・シャナハン 2015 NTT出版 原著のタイトルはThe Techological Singularityである。シンギュラリティを一躍有名にしたカーツワイルの著作では無い。AIのこれからの発達に主眼を置き、シンギュラリティを越…

「強いAI・弱いAI」(3) 人工知能関連書評

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。 第4回:汎…

「強いAI・弱いAI」(2) 人工知能関連書評

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。 第3回:強…

「強いAI・弱いAI」(1) 人工知能関連書評

「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。 第1回:チ…

「シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき」 人工知能関連書評

「シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき」 レイ・カーツワイル著 2016年 NHK出版 もともとは、2005年の著書。日本でも2007年には紹介されていた。ただし、シンギュラリティといって話題になったのはつい最近のことである。言わずと知れた、2045…

「知能の原理」 -身体性に基づく構成論的アプローチ- 人工知能関連書評

「知能の原理」 R.ファイファー著 2010年 共立出版 私の手元にあるのは、ファイファー教授のサイン本である。2013年、ドイツで開かれたロボット学会にて、自分の研究を見て頂いた際にサインを頂いたのだ。一応自分も、ロボット研究者としての仕事をして…

「ブルックスの知能ロボット論」 人工知能関連書評

「ブルックスの知能ロボット論」ロドニーブルックス著 2006年 オーム社 ブルックスの著作で、唯一訳されているものだと思う。 MITのコンピュータ科学人工知能研究所(CSAIL)所長を務め、ルンバを開発したiRobot社を創業、今はRethink Roboticsにて、顔のあ…

「ロボットの心 7つの哲学物語」 人工知能関連書評

「ロボットの心 7つの哲学物語」 柴田正良著 2001年 講談社現代新書 ロボットに心を持たせることは可能か、という疑問に対し、可能であるという立場から、人工知能関連の基本的なトピックをまとめている。各章の冒頭にSF的な読み物があり、各章のトピック…

6 はじめに言葉ありき -考え方のまとめ-

主張していることを簡単にまとめる。 身体性、構成論的アプローチは実世界でロボットを動かすことに主眼を置いているが、外界、身体ともソフトウェアで再現して良い。実現性に優れる利点がある。 人間は言葉で世界を理解しているのだから、言葉レベルで世界…

5 実践的な強いAIの作り方と、他アプローチの比較

今までの検討をまとめると以下のようになる。 外界(世界)-身体を模擬するソフトウェアを、辞書レベルで差異が分かるような状態で用意する。 AIを身体へ搭載したソフトウェアエージェントを複数用意し、外界ソフトウェア内で自由に動き回らせ、知能が発…

目次にかえて

以下に分けてエントリーしていきます。ほんとはHPが良いのですが、取り急ぎブログで。 簡単にまとめると、①弱いAIは意味が分からない。AIの出力結果に意味を与えているのは観測者の人間である。②人工知能を作るには身体が必要という身体性のアプローチが…

4 ソシュールの記号論による、AIが意味を取り扱う実践的な方法

前項において、意味を取り扱うには、外界-身体-脳のシステムが必要であることを示した。意味を取り扱うことは、強いAI実現のブレークスルーとなりうるものと考える。本項では、ソシュールの記号論を元に、実践的に外界などを表現する方法を示す。 結論:…

3 人工知能には身体と外界が必要である(2) 意味は外界にある

以下の二つの観点から、強いAIを作ろうした際には、脳にあたる部分だけではなく、外界と身体の準備が必要であると考える。今回はその(2) (1)ロボティクス分野からみた身体の重要性(2)意味は外界にある 結論: 人工知能が人間と同じように意味を扱…

2 人工知能には身体と外界が必要である(1)ロボット工学からみた身体の必要性

以下の二つの観点から、強いAIを作ろうした際には、脳にあたる部分だけではなく、外界と身体の準備が必要であると考える。今回はその(1)(1)ロボティクス分野からみた身体の重要性 (2)意味は外界にある 結論:ブルックス等の著名なロボット工学者…