強いAIの実現方法 ~実用化に向けた実践的な作り方~

強いAIの実践的な作り方を検討しています。メイン記事に主張をまとめています。人工知能関係の書評もあり。なお、今後、任意団体として活動してみたいと考えており、手伝ってみたいという方は是非ご連絡下さい。詳しくは、メイン記事の7を参照下さい。

2 人工知能には身体と外界が必要である(1)ロボット工学からみた身体の必要性

以下の二つの観点から、強いAIを作ろうした際には、脳にあたる部分だけではなく、外界と身体の準備が必要であると考える。今回はその(1)

(1)ロボティクス分野からみた身体の重要性

(2)意味は外界にある


結論:
ブルックス等の著名なロボット工学者を含め、ロボティクス分野においては、人工知能には身体が必要だとの主張がある。
 

(1)ロボット工学からみた身体の必要性
ブルックス、及びファイアーは、その著作において、記号論的な人工知能のアプローチを否定し、人工知能には身体が必要であると主張した。環境と身体との相互作用が知能を生むという主張である。

特にブルックスは、以下の明快な主張をしている。

①表象無き知性という論文において、探知→判断→行動というループを否定し、探知→行動が生物の知性の本質であるとした。

②生物が複雑な動きをするのは環境が複雑だからである

③まず、環境の中でロボットを動かせ

 

探知→判断→行動というのは、自動車メーカーが自動運転に取り組む際にも好むアプローチであり、これを当然の摂理として無批判に受け入れるロボット関係者が多いと思われる。人工知能のブレークスルーが生まれない理由の一つが、このループを捨てきれないところにあると筆者は考える。すなわち、ブルックスが否定する「判断」のブロックこそ、if文の塊であり、記号論的なアプローチの古典的AIそのものと言える。

サブサンプションアーキテクチャを採用する研究者もいるが、下層はブルックスの言う通り反射的な動作を構築しても、上層にて高度な判断として記号論的アプローチを導入してしまう例が多く、身体性の効能を台無しにしてしまっており、自らブレークスルーへの道を閉ざしているとしか思えない。
身体性にこだわるなら、探知→行動を徹底すべきであり、これを徹底できないから身体性が成果を上げられていないのだ。

 

もっとも、ブルックスの主張は1980年代後半からロボティクス界では広く知られており、一時期は大いに期待され研究もされてたが、期待されたように知性を実現できるには至らなかった。

その原因の一つとして、やはり判断→行動のループでは単純なことしか出来ない
→その対策として高層に高度なループを加える
というのは自然な発想ではある。

別の原因として筆者が指摘したいのは、
・人と比べロボットが単純すぎる(リンゴを人間と同じように認識するなら、味覚嗅覚食欲歯ごたえ等が必要。詳細は別記事)
・実世界で実験を繰り返すのが大変
・当時のコンピュータでは機械学習能力が不十分

という点であり、このブログでの主張は、これらの問題点を克服する実践的アプローチとも言える。

探知→行動が生物の知能の本質であるなら、一生物である人間の知能の本質も同じではなかろうか。身体による環境との相互作用が知能を生むのである。