強いAIの検証用として、言語能力の付与等、脳モデルの検討をしてきたが、「プログラムされていないことを思いつく」にはどうすれば良いか、思いついた(^^)のでまとめる。
思いついたのは、強いAIである人間のやっていることは、状況を総合的に判断して、「こうしよう」と決心することではないか、ということだ。あれはしたくない、これもしたくない、遊びたい!等、の状況から、今は勉強しようと決めるようなことである。これは、知性というよりは、報酬が最大になるような選択をしている。遊ぶより勉強を選ぶのは、将来のリターンを考えた結果である。
思うに、普段、人間は本当に知的に振舞っているのだろうか。むしろ、知能を要する活動は苦手ではないか。
人間がやっていることを一言でまとめると、「今はこうしよう」ということを決めている、になる。外出先でレストランを決めたり、メニューを決めたり、見に行く映画を決めたり、もう寝ようとしたり、その前にお風呂に入ったりする。決定にあたっては、報酬系の動作、過去の経験、行動の結果の予測などがかみ合うわけであるが、本質的には、知性の作用というよりは、欲求を整理した結果にみえる。端的に言えば、人間はそれほど知的に行動していない、ということだ。
ただし、「今はこうしよう」とエージェントが決めるのであれば、このエージェントは「プログラムされていないことを思いついている」と言える。すなわち、各種状況から「今はこうしよう」という決定が出来るエージェントこそが、強いAIと言えると考える。そして、大容量の脳、言語能力により、より複雑な状況でも「今はこうしよう」という決心が出来るであろう。
本ブログにおいては、「探知→判断→行動」ではなくて「探知→行動」が生物の基本原理であり「判断」をプログラムしてはならないと主張しているが、今回述べたことと照らし合わせると、「判断」は、強いAIが「今はこうしよう」と決定した結果であり、あらかじめプログラムしてはならない、ということだと考える。
まとめると、以下の通りである。
・各種状況から「今はこうしよう」と決定する能力が、強いAIの本質である
なぜ、「今はこうしよう」という能力から、月へ行く宇宙船が作れるような知的振る舞いが出来るようになるのか、次回整理する。