強いAIの実現方法 ~実践的な作り方~

強いAIの実践的な作り方を検討しています。メイン記事に主張をまとめています。人工知能関係の書評もあり。なお、今後、任意団体として活動してみたいと考えており、手伝ってみたいという方は是非ご連絡下さい。詳しくは、メイン記事の7を参照下さい。

「強いAI・弱いAI」(2) 人工知能関連書評

 「強いAI・弱いAI」 鳥海不二夫著 2017年 丸善出版

 本ブログのテーマである、強いAIについて正面から日本の最新状況を語っている。9人の日本を代表する専門家へのインタビューであり、1回で全部の感想は書き切れないので、1回づつにしてみた。

第3回:強いAIの前に弱いAIでできること 松尾豊(東京大学大学院工学系研究科特任准教授)

 ディープラーニングによる第3次AIブームの、日本における立役者であり、ディープラーニングといえば松尾先生である。

 表題のように、強いAIの前に、まず弱いAIにてビジネスをおこす必要がある、日本でもまだチャンスはあると力説されている。グーグル等の台頭に対し、もっとも危機感を持たれているお一人ではなかろうか。

 ディープラーニングの位置付けも、ディープラーニングだけでは強いAIは出来ないが、知能の全体像において、従来出来なかったパターン認識が出来るようになったため、そのパターン認識の上に記号処理、その上にコミュニケーションという位置づけで、知能における役割を不可欠なものとして評価している。パターン認識と記号処理の組み合わせで、記号接地の状況になることも示唆されている。別の記事でも拝見したが、これからは身体性が重要であると考えられているようだ。
※日本ロボット学会誌 2017年4月号「人工知能からみたロボット界への期待
 公開されているようなので、直リンクを貼っています。

www.jstage.jst.go.jp

 パターン認識を最下層として、だんだん記号処理に近い処置を重ねていくイメージは、サブサンプションアーキテクチャにインスパイアされたものと考えられる。ブログ筆者自体は、サブサンプションアーキテクチャに対する理解は異なるがそれは別記事で

 細かい内容だが、グーグルがお昼ご飯を研究者に提供している点に注目されていた。第1回でも書いたが、研究者が研究に専念できる環境は米国の方が整っているのかもしれない。また、大学と比較してグーグルも研究機関とも言えるとし、情報系における大学、企業のあり方についても提言をされている。

 私の勤める会社でも講演をされたことがあり、AIのビジネス化を訴えられていた。やはり、強いAIの前に、まだまだやることがある、ということのようだ。