強いAIの実現方法 ~実用化に向けた実践的な作り方~

強いAIの実践的な作り方を検討しています。メイン記事に主張をまとめています。人工知能関係の書評もあり。なお、今後、任意団体として活動してみたいと考えており、手伝ってみたいという方は是非ご連絡下さい。詳しくは、メイン記事の7を参照下さい。

強いAI 実現方法 はじめに

 強いAIとは、プログラムされたことしかできない弱いAIと比較し、人間のように自分で考えることが出来るAIのことです。このブログでは、その作り方について検討しています。基本方針は以下の通りです。

  • 知能実現には身体、そして世界が必要であるが、ソフトウェアで再現すれば良い
  • 「外界-身体」の再現は辞書レベルで行えば良く、有限の努力で実行可能である
  • 探知⇒行動による環境との相互作用が生物の知能を生み出すのであり、一生物である人間の知能が、同じ原理を元にしていないことがあろうか。
  • 今までは脳を記号化してきたが、実は外界ー身体を記号化すべきなのだ


 人間も実は弱いAIではないかという説もあるでしょうが、我々はお互いに知性があるようにふるまっており、強いAIとは、そのようにふるまえるAIのことかもしれません。
 また、深層学習(ディープラーニング)が一世を風靡していますが、機械学習は基本的にプログラム手法であり、出来上がったものは弱いAIです。人間が具体的にプログラムするのではなく学習させることで、人間には手におえないプログラムが作れるようになり、技術としては革命的な進歩を遂げていますが、強いAIとはまた別のものです。(ただ、強化学習は、一概に弱いAIとは決めつけられないと思う)
 さらに、2045年に強いAIが完成し人類を超えるというシンギュラリティの予言が話題になっていますが、特に我が国では否定派が多いです。出来るわけないだろうという。
 あるいは、「ロボットに心は持たせられるか?」「強いAIは作れるだろうか?」のような疑問文で読者の注意を引く論調も目立ちますが、結局、脳細胞とそのつながりを全て精密にシミュレーションするみたいな、昔からある非現実的な方法を除き、実践的な実現方法について述べたものはありません。
 当ブログでは、それらの状況を踏まえ、今度こそ、実践的な強いAIの実現方法を提案していきます。

 論旨を簡単にまとめると、

  1. 弱いAIは意味が分からない。AIの出力結果に意味を与えているのは観測者の人間である。
  2. 人工知能を作るには身体が必要という身体性のアプローチがあるが、実世界でロボットを動かしても、ブレークスルーには至っていない。
  3. 意味は外界にあり、AIが意味を扱うには、外界-身体-AIのシステムが必要である
  4. 人間は意味を言語で扱っており、言語はソシュールによれば差異の体系であるから、ソフトウェアで外界-身体を作り差異を表現すれば、ロボットを実世界で動かさずともAIが意味を取り扱えるようになる。その差異は、辞書レベルで表現されればよく、数万語の再現は有限の努力で出来る。
  5. 人工知能を作るには身体が必要との主張は正しいが、実世界でロボットを動かすことにこだわるため成果が出ない。外界-身体をソフトウェアで作っても同じ意義があり、かつ実験性が飛躍的に向上するため、今度こそ強いAIへの道が開けるのである。
  6. 人間は言葉で世界を認識しているのだから、外界-身体も言葉レベルで再現し、その中で深層学習を始めとしたAI手法をいろいろ試せばよい。ヨハネ福音書のごとく「はじめに言葉ありき」である。

 バックグラウンドにあるには、1つはブルックスの表象無き知性という考え方です。

・生物の知能の原理は探知→行動であり、探知→判断→行動ではない。
・生物が複雑な動きをするのは環境が複雑だからである。

 探知→行動のアルゴリズムで動いていた生物が、十分に複雑な環境において大容量の脳を持った時に、生物はシンギュラリティを迎え、人間という知性を実現させました。AIでも同じ方法(探知→行動ベース)で、強いAIを作ることが出来ると思います。

 もう一つのバックグラウンドはソシュールという19世紀の言語学者の考え方です。

・意味とは差異である
・人間は単語で知っていることしか認識できない(単語が概念を作り出す)

 意味は差異であるということから、実ロボットを実世界で動かさなくてもAIで意味を扱えるであろう、また実世界は記号化レベルで再現出来れば十分であるということが言えます。また、ソシュールの考え方から、AIを悩ます問題の一つである記号接地問題が、実は無いということが言えます。

 

1. 意味が分からない弱いAIたち

2. 人工知能には身体と外界が必要である(1)
 -ロボット工学における身体の必要性-

3. 人工知能には身体と外界が必要である(2)
 -意味は外界にある-

4. ソシュール記号論による、AIが意味を取り扱う実践的な方法

5. 本項の主張による実践的な強いAIの作り方と、他アプローチの比較

6. -はじめに言葉ありき- 考え方のまとめ

7.  後記 事業化に向けて。参考文献等